Love India

インドへ行ったらインドが大好きになりました。

Love Indiaでは私のインドのお気に入りをご紹介します!


01  Chai

 

インドでは紅茶というとチャイのことです。

スパイス入りのミルクティー。

おいしいですよね。

ちなみにインドでコーヒーというとミルクと砂糖入り。

チャイもコーヒーもたっぷり飲むというより、小さめのカップで日に何度か飲むという印象です。

◎ 鍋に水を入れて、ホールのスパイスも入れて中火にかけます。

◎ 沸騰してきたら茶葉を入れて、紅茶の色がしっかり出てきたら牛乳を入れて一煮立ち。

◎ 生姜のすりおろし、残りのスパイス(粉の方)を入れて、いい匂いがしてきたら砂糖を入れて混ぜます。

◎ チャイがモワア〜っとしてきたら火を弱めて、また少し火を強くしてモワア〜。

◎ このモワア〜を3回繰り返したら出来上がり!

最低3回はモワア〜ってさせるんだよ、とインドの方に教えていただきました。

 

スパイスはその辺のスーパーに売ってるもので十分です。すべてのスパイスを粉状のもので用意してもいいです。

シナモンはカールしてる上品なものと「木」みたいなものと2種類ありますが、私は「木」みたいな方が、大きな味がして好きです。もちろん粉になっているものでもOKです。

砂糖は思い切っていっぱい入れた方がおいしいと思います。

教室でもお出ししているチャイ。

インドのスワミジ(ヨガの行者さん、お坊さん)にも

「Good Chai ! Good Chai !」と褒めていただきました。

ぜひお家で作ってみてください!

 

夏はフレッシュなミントをたっぷり入れたミントチャイ、

冬はスターアニスを少し入れてほっこりチャイにしてみるのもいいですね。

 

(2020.4.23)

 

 


02  ネティ

 

お世話になっているインドの瞑想の先生が、今のこの事態に健康を保てるようにと、鼻うがいを勧めてくださいました。

あ、そういえば私、ネティポットを持ってた!

そんなわけで、何年かぶりにネティをしています。

私の持っているネティポットはプラスチック製のチープなものですが、鼻洗浄には申し分ない代物です。

使い方は簡単。

ぬるま湯で塩水を作りポットに入れ、顔を横に向けて片方の鼻の穴に先端を差し込んで、反対の鼻から水を出します。横を向いて少し口を開けて、力も抜いておくとうまく流れていきます。

左右ともして、鼻をかんで、ああスッキリ。

私が教わったところでは、塩水の塩分濃度を毎回変えると良いということでした。

鼻を洗う効果もありますが、外から入ってくるものに対して体が過剰に反応してしまうのを防ぐ効果もあるのだそうです。

寝る前にはネティはしてはいけないということでした。

鼻に入った水は副鼻腔という空間にも入ります。寝てしまうと副鼻腔に水が入ったままになってしまうので良くないということでした。

動いている内に自然に溜まっていた水も出ていきます。

鼻が通っているとそれだけで気分もいいですよね。

 

ネティポット、ネットでも買うことができますので、興味のある方はぜひどうぞ。

 

(2020.4.27)

 

 


03  南インドのカレー

 

インドへ行ってきた、というと「食事はカレーですか?」とよく聞かれます。

だけど、インドで「カレー」という言葉をあまり聞いた記憶がないです。

サンバルもダールもラッサムも日本人から見たら全部カレーだけど、インドの人からすると違うようです。

要はほぼ全ての料理にスパイスが入っているということだと思います。

州によっても材料や調理法が違うようですが、大きく分けると北と南で食事が違うように思います。

日本でよく知られているバターチキンやナンというのは北インドのもので、南インドでは汁気の多いサラッとしたカレーが多いようです。

主食も南インドでは米やチャパティ(全粒粉の薄いパン)で、私はインドでまだ一度もナンを見たことがない…。

インドの人の中には日本へ来て初めてナンを食べた、という人もいるそうです。

そしてこのサラッとしたカレーがおいしいのです。幸せの味がします。

日本人は北インドへ行くとお腹を壊すけど、南インドへ行ったら便秘が治る、というのを聞いたことがありますが、体を軽くしてくれるカレーに出会うと、納得です。

最近は京都でも南インドのカレーが食べられるお店が増えてきました。この難局を乗り切って繁盛してほしいと願っています。

 

ヨガでは「幸せというのは物の中にあるのではないよ」と散々教えられますが、カレーリーフ、マスタードシード、そしてターメリックあたりには、少し幸せが入っているような気がします。

(2020.5.3)


04 『バジュランギおじさんと、小さな迷子』

インド映画

原題:Bajrangi Bhaijaan/2015/インド

 

 

昨年の3月、京都シネマのそんなに大きくないスクリーンでこの映画を観ました。

バカ正直でお人好しのインド人青年と、声を出せないパキスタンからの迷子の少女の二人旅。様々な困難を乗り越え、インドからパキスタンを目指す、感動の物語です。

 

冒頭の数分、主人公のパワンの見た目に「どうしよう、好きになれないかも」と、しょうもない心配をしていたけど、主人公が偶然出くわしたハヌマーンのお祭りで、歌って躍って真っ赤になって(本当に赤い粉を撒いている)、あっという間に映画の中に引き込まれてしまいました。

たくさんの宗教が混在しているインドで、イスラム教徒とヒンズー教徒の生活がどう違うのかを、子供が見ているような視点で見ることができたように思います。

現在も緊張した状況の続くインドとパキスタンの関係も、国やそれぞれの立場や歴史を考えると複雑だけど、そこに住んでいる人はみんな同じ人間なんだということを、主人公のバカ正直な姿によって気づかされます。

今までほとんど知らなかったムスリムの世界にも惹かれました。

 

お話もさることながら、インドのカラフルで雑多な世界と、パキスタンの美しく素朴な景色とのコントラストも素晴らしい。

ぶかぶかの服を着た迷子のシャヒーダーがとてもかわいいです。

インド映画らしい歌って躍る明るさと、気持ちの良いアクションシーンなど、エンターテイメントとしても楽しめる、心と体に響く作品です。

 

ラスト10分は感動して涙で画面が見えなくなりました。

「どうしよう、大人なのにこんなに泣いて」と思ってそっと周りを見てみたら、みんな泣いてて安心しました。みんな大人なのに。

 

最近観た中で一番好きな映画です。

機会がありましたら、ぜひ、ご覧ください。

 

(2020.5.15)


05 パンジャビドレス

 

インドの女性の民族衣装はご存知サリーですが、もう1つがパンジャビドレスだと言ってもいいのではないでしょうか。

 

インドの女の人はとにかく華やかな色の服を着ていて、それを見るのがインドに行った時の楽しみの1つです。

とにかくいろんな色、いろんな柄、いろんな組み合わせがあって、誰も同じ格好をしていないように見えます。

素敵なコーディネートのご婦人

 

 

世界で民族衣装を着る習慣が消えていく中、インドの女性はサリーやパンジャビを美しく着こなし、時には力仕事もそのまま行っておられます。

パンジャビドレスは上からズボッとかぶるワンピースのようなもので、脇に切り込みが入っています。

インドでは脚を見せてはいけないので、このパンジャビドレスの下には、コットンのズボンやレギンスのようなものを履きます。

 

インドへ行くとこのパンジャビドレスがすごーく着たくなる。

旅のコーディネートをしてくれた友人に教えてもらったお店で1つ買って、次の年に散々迷ってもう1つ買いました。

様々な布を見ているだけでも胸いっぱいになるけど、素晴らしい刺繍、木の版を使ったブロックプリント、小さな鏡を縫い付けたミラー細工など、インド各地の手工芸品としても楽しめます。

「インドは布好きにとっては天国です」と紹介されている記事を読んだことがありますが、ほんとにそう思います。

 

さて着心地の方はというと、「夏にこれを着てしまうと、もう他の服は着れなくなる」という友人の言葉通り、軽さ、肌触り、見た目の華やかさなど、なんとも気持ちのいい服です。

ただ1つだけ難点があります。脱ぎにくいのです。

インドの服には基本ファスナーはついていないように思います。コットンの伸縮性のない生地で、体にフィットするデザインが多いので、脱ぎ着するには上手に脱皮する技がいります。脱いでいるうちに身動き取れなくなって、試着室で助けを呼ぼうかと思ったこともありました。まあ、それも楽しいんですけどね。

 

ちなみにインドの男性もクルタとか民族衣装があるのでしょうが、ほとんどの男性がデニムのパンツにシャツ姿です。私はこのデニムにぴったり目のレーヨンシャツ姿というのも、なんかすごく好きです。

 

(2020.5.31)

 

 


06 カレーリフの木

 

カレーリーフというものをご存知でしょうか。

私は数年前まで知りませんでした。

インド料理に使われるスパイスの1つで、主に南インドやスリランカでよく使われるようです。

和名は南洋山椒(ナンヨウザンショウ)、または、大葉月橘(オオバゲッキツ)でミカン科の木です。

インドに詳しい友人宅でご馳走になった時、インドのチャーハン的なものの中に小さな葉っぱのようなものが入っていて

「これは何ですか?」と聞いたところ

「カレーリーフです。食べれますよ。」と教えてもらいました。

カレーリーフ?? なんだそのまんまの名前は。

食べてみると、あれまあ美味しい。

「カレーリーフとこのマスタードシードというのはとてもよく使います。」と。

どうも部屋に漂ういい香りは、この葉っぱと小さな黒い粒が一役かっているようです。

 

インドへ行くとほんとにカレーリーフとマスタードシードがカレーに入っていました。

 

ある日、一緒にヨガをしている大学時代の友人が、カレーリーフの苗をプレゼントしてくれました。

私は植物を育てるのが下手なので、その日から心を決めて世話にかかりました。

適度に陽に当てて、適度に水をあげるだけですけどね。

 

小さな苗で家にやってきた。 夏にすくすく育つ。

 

 

葉っぱに顔を近づけると、インドのご飯どきの匂いがして幸せな気持ちになります。

 

そして京都の寒い冬がやってきました。

育て方を調べると暑い地域のものだから寒さに弱いと書いてあります。

室内に移したけど、葉っぱはどんどん茶色くなり、春にはほとんど葉が落ちて棒が1本立っているだけみたいになってしまいました。

やっぱり私には無理だったか…。

 

一番寂しい姿はショックだったのか、写真がありません。

 

 

でも木は草と違って強いのです。

日差しが強くなってくると、どんどん新しい葉っぱを出して大きくなっていきました。

わーすごい。毎日大きくなる。

 

 

2度目の冬を越して、また寂しい姿になって、今また新しい葉っぱが出てきています。

暑いところの生き物でも、寒い時にはちゃんと身を守る働きが備わっているようです。

すっかり葉っぱの落ちた枝の先に、小っちゃい葉っぱの赤ちゃんが「ぷ」と出て、柔らかい葉っぱが次々と出てくるのを見て、「希望」というのはこういうことか、と思いました。

元気になったり静かになったりを繰り返して、少しずつ大きくなっていってるようです。

私もそんな風でありたいと思いながら、

カレーリーフの木に育てられている毎日です。

 

(2020.6.18)

 

 


07 インドのコーヒー

 

インドにもコーヒーがあります。当たり前か。

だけど私はあんまり想定していませんでした。あるんです。

チャイの作り方のところでも書きましたが、インドのコーヒーは紅茶と同様、砂糖とミルク入り。さすがにスパイスは入っていませんでした。(入っているものもきっとあるのでしょうね)

インドのホテルでミルク入りコーヒーを飲んだ時、

「あれ、なんか知ってるぞ、この味」と思いました。

あれだ、子供の時、細長い缶に入った「コーヒー」というコーヒー飲料。

甘くてキャッチーで懐かしい。それを少しリッチにした感じです。

 

お土産を買う時、そうだコーヒーも買って帰ろう、と思って時間があんまりなかったので適当に選んで買いました。

帰国して、私の育った家の伝統にのっとり、お土産を全部並べて写真撮影をしてから、コーヒーのパッケージをまじまじと見てみました。

[コーヒー53%、チコリー47%]

???コーヒーじゃなかったのかな、これ。

袋を開けて匂いでみると、コーヒーのようなコーヒーじゃないような。

いれてみました。

変わったあじー。

砂糖とミルクを入れるとやっと落ち着きました。

そうか、この細かい粉末状も濃く出してオーレにするためだな、と。

勝手が分かると楽しくなりました。カフェインも少ないので、きつくなくていいのです。

しかもチコリーには薬効まであるようです。

 

 

インドではコーヒーは高価なものだったから、混ぜ物としてチコリーが入れられるようになり、結果的に体に優しいコーヒーが出来上がっちゃったようです。(諸説あるかも)

日本では珍しい飲み物ですから、逆に価値があるかもしれません。

家の近くで買えるチコリーコーヒーはフランス産の「ルルー」だけでした。こちらはチコリー100%で、ミルクたっぷりでいれるとキャラメルオーレのようでおいしいです。

 

ちなみにインドのコーヒー栽培は、やはり暑い気候の南インドのようです。

100%のコーヒーも、チコリー入りコーヒーもどこか懐かしいインドテイストです。

「コーヒー」というコーヒー飲料。

懐かしいと書いてしまいましたが、今もあるんですね。すみません。

世界初の缶コーヒーから50年。増えに増え、今や日本は缶コーヒー大国ですね。

 

(2020.7.9)

 

 


08 インドの弁当箱

 

インドのお弁当箱をご存知でしょうか。

ステンレス製の丸い容れ物がお重になっていて、金具でパチンと固定してそのままブラブラ持ち歩けるかわいいシロモノです。

ずいぶん前に何を思ってか、このお弁当箱を買いました。

サイズもいろいろあるのですが、私のは小さめの器が3段重ねになっているタイプです。

インドではもちろんカレーを入れるのだと思いますが、日本でだとご飯の段、おかずの段、フルーツの段にするとなかなか楽しい感じになります。

実際にやったことはないのですが、直火にかけることもできるのだとか。

でも電子レンジでチンはできません。

私の通っていた幼稚園の光景を思い出します。

幼稚園では冬になると、大きなストーブの周りに網棚が付けられて、そこにみんなのお弁当を並べて温められるようになっていました。だからプラスチック製のお弁当箱はダメで、アルミのお弁当箱を持って行っていました。

インドの学校なんかでもお弁当を温めたりするのでしょうか…。

 

インド映画やインドの映像を見ていると、時々このインド弁当箱が映っていたりして、いろいろ想像してしまいます。よその家のカレーを「1口ちょうだい」とかするのかなあ、なんて。

 

島国育ちの私たちは、いつも海の向こうの生活に興味津々。よその国になりたいのではなく、よその国が好きなんだなあと思います。

よその国、よその家、異文化との触れ合いが気持ちを豊かにしてくれます。

「1口ちょうだい」も「よその国」も少し遠くなった今、人と関わることの意味を改めて考えさせられます。

「生きたい」「働きたい」そんな前向きなエネルギーは、人との関わりの中で生まれるのではないかと思います。

 

インドにもまたいつか「いってみたいなよそのくに」

楽しみに待っていようと思います。

 

インドのお弁当箱、日本で買えます。ネットで「インドの弁当箱」で検索するとたくさん出てきます。ちょっと気分を変えて、インド風ランチはいかがでしょうか。

 

お弁当ではなくカレーの器として使ってみました。

この日のカレーは南インド風、エビとひよこ豆とエリンギのカレー。

 

(2020.7.30)


09 世界を変える美しい本

 

昨年「世界を変える美しい本」という展覧会が京都の細見美術館でありました。

インド・タラブックスの挑戦という副題がついています。

おお、本物が見れる。そう思って天気のいい日に出かけました。

(タラブックスについてはNice Books 10 で紹介しています)

思いがけず、ちょっとサプライズな展示が用意されていました。

そのことに気づかず半分くらい展示を観て回って、なんていい展覧会なんだろう深く心に留めておこう、そう思った時、黄色い案内板を見つけました。

「ここにある展示は写真を撮ってもらってかまいません。静かにね」みたいなことが書いてありました。

私はもうちょっとで「ひやあっ」とでかい声を出すところでした。いや実際は小ちゃく「えー」と言いました。

そんなわけで写真があります。

 

なんだか胸いっぱいお腹いっぱい。

ミュージアムショップにはなんと、この展覧会のために用意されたハンドメイドの本が売っていました。もちろん買いました。

わー、ほんとにフカフカ。手漉きの紙の感触とシルクスクリーン印刷の匂い。

 

たくさんの人の愛情を感じる展覧会に、いいものはみんな自然と大事に扱うんだなあと、心が洗われる思いがしました。

 

(2020.8.27)

 


10 『きっと、また会える』

インド映画

原題:CHHICHHORE/2019/インド

 

 

久々の映画館。

コロナ対策のため座席は普段の半分以下に減らされ、マスク着用、手の消毒をしての鑑賞でした。

映画館の方には申し訳ないけど、隣に人が座らない、前の席に座高の高い人が座らない、ソーシャルディスタンス映画館は思いのほか快適でした。

 

インドは映画大国で、日本で観ることのできる作品はその中のわずかだと思いますが、日本公開の作品に「きっと◯◯」という邦題のついたシリーズがあります。

本作はその中でも一番ヒットした「きっと、うまくいく」と同じ、名門 IIT(インド工科大学)の寮生活を舞台に繰り広げられます。

 

主人公は都会の企業でバリバリ働くエグゼクティブ。

その息子が大学受験に失敗して飛び降り自殺を図ります。

命を取り留めたものの、脳に重大な損傷を負ってしまいます。

お医者さんに「息子さんは生きる力が弱い、生きようとしていない」と言われ、主人公は大学時代の話を息子の病室で始めます。

監督は実際に IITの卒業生で、登場人物にはモデルになった人がいるらしく、エピソードもリアルな経験をもとに作られていて、とても楽しく観ていられます。

 

ストーリーは単純明快。演技も大袈裟です。

でもインドの受験戦争の厳しさや、失敗が許されない風潮が現実の問題として大きくあるのだということがわかります。

インドでは毎年、受験の失敗でたくさんの自殺者が出ます。

監督の伝えようとするメッセージには、受験だけでなく、私たちが生きていく中で起こる失敗を、それでいいんだよと、心配なんかしなくていいと、力強く励ましてくれているように感じます。

 

本編終了後、エンディングソングが出演者みんなで歌って踊って披露されます。

この映画のクライマックス。

この映画の一番素晴らしいところでした。

ストーリーでもメッセージでもなく、何か力強いエネルギーのようなものが物語のバックにずっと流れていたことに、そのダンスシーンで気づきました。

ああ、インドってやっぱり魅力的だ。

そう思いました。

インドの人の人懐こさと格好良さが、素晴らしいリズムとワイドでディープな構図に見事に現れています。

 

 

映画を観終わって座席を立つ時、一つ飛びに座席に貼られた「社会的距離の確保にご協力ください」という言葉に、少し不思議な気持ちになりました。

 

元気もらえますよ!

 

(2020.9.2)


10 インドのお風呂

 

初めてインドへ行った時、村の方へ車で入っていくと土壁や木の柵にカラフルな色が塗られた家がずっと続いていました。

家の前にたくさん人が出ています。

そんな中の1軒、家の前の広場にアルミの大きなタライを置いて、20歳くらいでしょうか、お兄ちゃんがその中に入ってしゃがみました。片手に持ったホースから頭の上に水をチョロチョロ出しています。

「お風呂だ!」

声に出さずにそう言いました。

 

水はそれ以上強く出ないようです。石鹸っぽいものをつけて頭とか顔とか撫でています。

なんかすごくいい。

チョロチョロチョロ〜。

次に生まれてくるならインドの南の方の田舎でお願いします。できれば男で。と思いました。

だけど私は今はガチガチの日本人なので、湯船が大事。

 

インドに限らず海外は湯船の文化のないところがたくさんありますね。

むしろ湯船がある方が珍しいのかもしれません。

インドではそもそも水が貴重ですから、バスタブは余程のお金持ちの家にしかないと思います。

シャワーやお湯が出る設備も贅沢なものだと思います。

泊めていただいたアシュラムの宿泊所はありがたいことにお湯のシャワーが使えました。お湯の温度に贅沢は言えません。

最近知ったのですが、海外の湯沸しのシステムは日本の瞬間湯沸かし器と違って、タンクに水を貯めて温めるタイプのものが多く、使えるお湯の量が決まっています。だから頭を洗っている途中でお湯が水になることがありました。

「ひゃあ〜」とか言って。なぜか楽しいのですが。

ボタン1つで好きな温度のお湯をいくらでも出せる、そんな環境が整っているなんて本当に恵まれたことだと思います。

インドへ行くと日本が水に恵まれた国だということを痛感します。

 

さて、お土産にインドの入浴剤なるものを買いました。

 

粉末になっているので湯船に入れてみました。

溶けません。

かき混ぜてお湯を揉んで、

溶けません。

しょうがないのでそのままジャリジャリのお湯に入りました。

うーん、なんかすごくありがたい感じがする。なんでだろう。

エキゾチックなまさにインドの匂い。

私はこの泥色の神聖なお湯に「ブッダ風呂」と名付けました。

きっと頭が良くなって心がきれいになるに違いない。

 

秋の夜長。

入浴剤を楽しめる季節となりました。

 

ブッダ風呂は追い炊き厳禁です。

 

(2020.11.12)